っていう、あたしの心の声は誰にも届くことはなく・・・。
五十嵐くんとあたしの距離は、さっきより縮まった。
その証拠に、再び、あたしの髪に触れ、そのまま耳にかけられる。
ヒンヤリとした彼の手が耳に触れて、ビクンと小さく肩が揺れた。
・・・これ以上は、ダダダダメです。
そう思っているのに、恥ずかしさと緊張で思うように言葉も出ないし、体も動かない。
全神経を耳に集中させられ、この時間の終止符を打たれるのを待っている時、
「髪型、似合ってる」
吐息混じりの甘い声。
あたしは、さらに追い打ちをかけられたのだった。