あたしを見つめる五十嵐くん。 その表情から、何を考えているのか読み取れない。 むしろ、無表情に近いそんな顔だ。 あたしはギュッとこぶしを作って、ゴクリ唾を飲み込んだ。 「ーーーりおに好かれてる人って羨ましい」 「・・・っ」 「そう言っただけ」 すると、五十嵐くんはクルリと方向転換するとポケットと手を突っ込んで、スタスタと正門へと行ってしまう。 「な、なな・・・な、」