マイナスの方向へと考えが傾いてる時、不意に耳に届いた五十嵐くんの声。




途中からしか聞こえなくて、あたしは聞き返す。





「ごめんなさい、聞こえなかった」




「独り言だったから、聞こえてなくてよかったのに」





はは、と困った表情の五十嵐くん。




ええぇ!? あたしはてっきり自分に向けられた言葉だと勘違いしちゃった。






自意識過剰な自分を殴りたいよ・・・。






「ご、ごめんなさい。地獄耳なもので・・・」





とっさに頭に思い浮かんだ、言い訳を五十嵐くんに告げた。