「家賃払わなくていいし!
夜まで働いても、家にいるってことだから安全でしょ?」
まぁ…。そう言われると…そうかも?
「家事を手伝ってくれたら、朝昼夜ご飯つけちゃいまーす!!」
私の顔の前にピースをつくる涼子さん。
え?そんなんいいの!?
「七彩ちゃんは、家事の手伝いとバイトで大変かもしれないけど…。
ほら、ここから東ヶ丘高校近いよ?」
確かに…、通学も楽。
しかもこんな優しい涼子さんの元で働けるなんて、嬉しい。
「い、いいんですか?」
そんな好条件…。
「良いわよー!3階が一部屋余ってるの!
使ってねー!」
すごい…。
さっきはカフェばかりに気を取られてたけど、この店、3階建てで、1階がカフェ、2階と3階が自宅になってるのかな?
「あ、あの…、本当に?旦那さんとかいないんですか?」
言ってから思った。
まだ結婚してないとか…、いや、こんな美人だし…。
「単身赴任で海外だから気にしないでね~」
あ、そーなんだ。よかった。
まだ涼子さん若いし、新婚邪魔したらあれだなーって思っちゃってた。
「あ、でも。」
涼子さんはなにか思い出したように言った。