「それは…、大変だったわね」
涼子さんの目にうっすら見える雫。
私のために、泣いてくれたのかなぁ…。
初めて会った人なのに、本当に、本当に素敵な人だなぁ。
「ねぇ…、高校ってもしかして、東ヶ丘?」
「そ、そうです!転校したばかりですけど…」
すごい!なんでわかったんだろ?
「ほら、この辺って頭いいところ多いじゃない?特待生取るために転校したって言ってたし。
この辺で馬鹿で一番近いのは東ヶ丘だからね~」
そう言ってパチンとウインクする涼子さん。とても美人で素敵だけどdisりすぎな気もする…。
「東ヶ丘高校かぁ…
あっ!!七彩ちゃん!いいこと思い付いたわ!」
机をバンッと叩いていきなり立ち上がった涼子さん。
そして、ずいっと私に顔を近づけた。
「えっと…。」
あまりの気迫に押される私。
けど、次に涼子さんから出てきた言葉は…
「住み込みで、バイトすればいいのよ!」
「えぇぇえええええ!?」
私を驚かせるには十分な言葉だった。


