「七彩…?」
「わ!ごめん…つい…」
やばい…、飛鳥に変に思われたかな。
「てか重かったでしょ?」
今気づけば飛鳥の上にずっと乗っちゃってたんだ。
あー恥ずかしい。
ここが人の来ない階段じゃなければいろんな人に見られて飛鳥のファンに殺されてたよ!
起き上がろうと、飛鳥の胸をそっと押す。
けど、
「飛鳥…?」
飛鳥の腕が、私の背中に回って離れられなかった。
「このまま…、離したくねぇ…」
え…
飛鳥の手が触れてる背中が熱い。
ちらっと飛鳥を見ると、まっすぐに見つめ返される。
「えっと…あのっ」
どうしよう…っ。
ていうかこの状況…
端から見たらなんて破廉恥な光景なんだろう。
どうしようどうしよう。
どうすればいいのかわからなくて、飛鳥の制服をぎゅっと掴む。
そんな私に気づいて、飛鳥は私の背中に回した腕を外して、私の脇に手をいれ、立たせた。
「ごめん七彩。俺どうかしてた」
そう言って、私の頭をポンと撫でると、そのままたまり場も、教室もない方向へ歩いていった。
「……、バカ」
私の気なんて知らないから、だから。
抱きしめるなんてできるんだ。
「……隕石、降ってきちゃったよ。」
咲人にいつか聞かれた、飛鳥のことを好きになる可能性。
隕石が降ってくる確率と同じ。
そんな話をしたのは、かなり前だった。


