「会いたいって思った。
……そしたら飛鳥、いるんだもん。驚いちゃうよ」
俺は今のお前に驚いてるよ。
誰、お前。
七彩ってこんなにバックに花なんか舞ってたっけー!?
俺の目がおかしいかも。
「……俺も、お前が輝夜庇ってるのに、驚いた」
「私も。」
七彩は、俺の制服から手を放すと、俺の胸を押して、俺から少し距離を取った。
そして、
「庇った自分に驚いたよ。
思った以上に、飛鳥たちのことが好きみたい」
にこっと、笑って見せたのだ。
「あ、ありがとな……」
胸がドキドキして、今の顔もヤバイと思う。
真っ赤だと思う。
結局、抱きしめたこととか、好きってさりげなく口にしてたとか。
そんなことを気にするのはきっと俺だけで。
七彩はすぐに忘れるんだろう。
それでも、
惚れたほうが負けってこういう状況かな、と思う。
きっと七彩がどれだけ鈍感で天然で馬鹿で可愛くて仕方なくても。
「帰るか、七彩」
「うん!」
この手をとってくれるなら、なんでもいいやと、思ってしまうんだから。