「飛鳥……?」
「え、あ、ごめん」
じっと見つめてしまっていたらしい。
足も止まってたみたいだし。
「……別にいいけど、飛鳥、ごめんね?」
「お前が謝ることなんてねぇよ。
俺が勝手に連れ出したんだし。」
「いや、一万円……」
あ……。
あの時は、後先考えずに置いてきちまったけど……。
「俺の全財産だった……」
く、悔しい!!!
「え!?ごめん!!!
わ、私返すよ!?家に帰ったら渡すから帰りつくまで待って!!」
「いや、いいよ……。」
女に払わせる金でもないし。
「そんなこと言ったって」
「それに」
俺は、
「お前から、聞きたかった言葉、たくさんもらえたから。
それで、十分だわ」
この手を、
離したくないと思えるほどに。


