【飛鳥Side】
「…………」
「…………」
なんだ、この沈黙。
俺は、カフェからの道を、七彩の手をひいて歩いていた。
このまま家に帰るつもりだ。
七彩は、俺たちのことを、きちんと見てくれていた。
結局断られ続けてるから、七彩は姫なんかじゃないし、ましてや暴走族でも、ヤンキーでもない。
心の底では、七彩にまだ、俺たちのことを嫌いなんじゃないかって思ってたりもした。
けど、それは違ったんだな。
俺が、あのカフェに到着したとき、七彩は晴飛って奴と口論していた。
それは、どうとらえても、俺たちを庇う言葉たちだった。
「ありがとう、飛鳥」
ボソッと呟かれた言葉に、きゅんっと胸が鳴る。
馬鹿。
ありがとう、はこっちの台詞だっつーの。