「俺のこと知ってるのか?転校生のくせになかなかやるな。
七彩なんて知らなかったぞ」
だからなんなんだ。
知ってると思う自意識過剰だった飛鳥が悪い!!
「そ、それより、倉木さんを離せよ」
「やだね、こいつ俺のだし。」
「んなわけあるかタコ。」
すかさず突っ込む。
俺のだし、なんて。
よくそんな恥ずかしい台詞いえるよね。
やっぱ暴走族やってるだけある。中二くさい。
……なんて、思ってるのに。
「は?俺のに決まってんだろ。」
「……っ」
顔の温度は、それに反比例して、急上昇してるのがわかる。
ぎゅって抱きつかれた背中の飛鳥の体温に、心臓が急激に加速していくのがわかった。
「……七彩、帰るぞ」
そう言って引っ張られた手につられて、立ち上がる。
「ちょ、飛鳥!?」
会計とか会計とか会計とか!!
してないんだけど!!