「んーとね、相談、というか……。
お願いなんだけど。」
お願い?
晴飛くんはなんでも出来そうだから、私が頼られることなんてあるかな?
けど、困ってることがあるなら、力になりたい。
「うん、私でよければ聞くよ。」
私がそう言うと、満面の笑顔になる晴飛くん。
そ、そんなに嬉しいのか……。
「あのね、倉木さん……!!
俺、友だちがいないの!!」
「ふぁ?」
一生懸命訴えてきた晴飛くんの口から飛び出たのは、まさかの友だちがいない、という言葉。
「それはどういう……」
「周りみんな厳ついじゃん?
だから友だちなんてできなくて。」
あぁ……それは私も思った。
転校してきてすぐ。
黒髪が珍しいレベルに荒れてるこの学校で、馴染めるかどうか不安だった。
けど、平太とか、その友だちとか。
女の子も男の子も話してみれば普通の高校生で。
今では、クラスみんなと友だちって言えると思う。