【七彩Side】
「倉木さん、今日はごめんね、いきなり誘っちゃって。」
「ううん、大丈夫だよ!」
学校帰り。
近くにあるカフェで晴飛くんとお茶中。
あれから10日ほどたったけど、隣のクラスとはいえ、やっぱり違うクラスで、しかもテスト期間だったから。
あまり学校でも話す機会はなかった。
廊下とかで会ったら挨拶するくらい。
「それよりどうしたの?
急に今日バイトまででいいから、お茶しよう、なんて。」
なにかあったのかな?
「いや、倉木さんと話したくて…。
クラスも違うし、こういう時間作らないと、一緒にいれないと思って。」
にこっと笑う晴飛くんは、これまた優雅に紅茶を飲んでいる。
私は小さなフォークでミルクレープを口に運ぶ。
甘い生クリームが、口に溶けていった。
「……話したいことって?なにか悩みでも?」
悩みなんてなさそうだけどなぁ。
この前のテスト結果。
貼り出されたんだけど、なんと学年2位。
悔しすぎる。
この学校にきて、負けるなんて。
って思ったけど、1位は晴飛くん。
転校してきてすぐなのに、すごいなぁ。
でも、見た目も真面目そうだし。
当然なのかも?