「いや、なんか、最初と違うなって。
雰囲気が。そう、雰囲気がおかしい!」
「そんなことないよ?
てか、どうしたの。本当は雰囲気がおかしいとか思ってないでしょ?
怒らないから言ってみてよ」
えー、ほんとに?
いいの?言っちゃうよ?
……まぁいいか。
晴飛くん絶対怒らなそうだし。
いや、もう怒ってるんだろうけど。
「雰囲気が怖い。」
「……そんなことないよ?」
「うそつけええええ!!
怖い!なんか怒ってる!!!!!
え!?もしかしてなんか学校の妖怪とかに取りつかれてんの!?
晴飛くん、正気に戻って!?」
「いや、倉木さんが正気に戻って。」
晴飛くんは、はぁとため息をつくと、階段を登り出した。
「え!ちょ、晴飛くん?」
わたしの声にピタッと止まると、晴飛くんはまた、さっきまでの、爽やかな笑顔で、
「倉木さん……、帰ろうか?」
わたしの質問を無視した。
よく、わからない転校生。
私はその背中を追いかけて、階段を駆け上がった。