「……これで一通りまわった?」
「かな?ありがとう、倉木さん。」
2階の音楽室を最後に、私たちの学校探検は終わったわけで。
というか、
「意外と広かったなぁ、この学校……」
「そうだね。ところで倉木さん…
あの部屋は、なんの部屋なの?」
晴飛くんの指先にあったのは、
「ゲッ…」
例の、彼らの溜まり場だった。
せ、説明したほうが…いいよね?
「えっとね……、あそこは、輝夜って暴走族のお偉いさんたちが、サボり用として使ってる部屋だよ。
……基本、他の人は出入り禁止だから、今、中を見せてあげることはできないけど」
私がそう言うと、
ピシッ、と。
なにか聞こえたような……。


