職員室を出ると、
杉林くんと目が合う。
「あ…、えっと、よろしくね?杉林くん…」
「杉林って、長いから、はるひ、でいいよ。
えっと……倉木さんだっけ?」
「うん、じゃあ晴飛くん、で。
そうだよ、倉木七彩。よろしくね」
「うん、よろしく。倉木さん。」
握手を求められたので、握り返す。
うわぁー、癒し系だぁ。
この学校で、こんな爽やかな、常識人を見るなんてー!
貴重だー、
仲良くなりたいなぁ。
「ところで倉木さん。
時間もあれだし、校舎まわるのは、放課後でいい?」
「うん、いいよ。
今日の放課後……?」
「そう!今日の放課後!」
メガネの奥の目と目が合う。
にこっと、笑ってくれて、
……やっぱり素敵だなぁ。
優しくて、爽やかで、
なにより普通!!!常識人!!!!
これ!!なにより大事ね!
「じゃあまたね」
「うん、放課後、倉木さんのクラスいくね」
晴飛くんと手を振って別れる。
少し、心がポカポカしていた。


