「失礼しまーす!」
ガラガラと音をたてて……、と思われる職員室のドアは、音もせずにスーっと開く。
新しいのかな……。さすが私立高校。
「お、倉木来たか。」
そこには担任の先生である、通称トミー。
「冨田先生、えっと私に何の用事が…」
「倉木、お前に紹介したい人がいてな。」
……紹介、したい人?
「もうすぐで来るんだが……」
トミーが、そういったとき、
コンコンッとタイミングよく職員室のドアがノックされる。
「お、ちょうどよかった。
はいっていいぞー!」
トミーの声で無音のドアを開けて入ってきたのは、
「あ、れ……?」
この学校に、似ても似つかない黒髪、黒縁メガネのすごく優しそうな人。
私と目が合うと、
にこっと笑い返してくれた。


