「七彩」
私の耳に、声が届く。
それは、いつも元気な平太の声で、でもそんなことも忘れさせられるくらい真剣な声。
「平太…?」
平太は、しーっ、というように自分の唇に指をのせると、飛鳥の隣にいた私を手招きした。
平太の隣にいそいそと目立たないように移動する。
そして、平太に手を引かれ、集団の一番後ろまでさがる。
「なに?平太」
コソッと小声で話し出す。
「いや、お前はここから見てた方がいいと思って。
あまり、前でると顔覚えられるから」
……それは、遠慮したい。
いくらフードを被っていても、顔が完璧に見えない訳じゃないからね。
ところでなにが始まるの…?
すると、弘樹たち、3人と飛鳥がお偉いさんに頭をさげた。
「「「~~~……!、」」」
……何て言ってるのか聞こえない。
けど、頭下げてるってことは、なにか謝っているの?
なにが、起こっているの?