「少なくとも、今はないけどね」





「は?」





ん?

え?なにそのびっくりした顔。





「…可能性はあるって、」




「んー、なきにしもあらずだよ」




「つまり?」





「今はないって言えるけど、今後好きになっちゃうかもしれないじゃん?

もしかしたら、明日隕石が降ってきてみんな死ぬかもしれない。もしかしたら、私が明日そこらへんのおじさんと結婚するかもしれない」




「…そんなこと、ありえんのか?」





「いや、ないと思うけど。

けど、言い切れはしないでしょ?

そんな感じかなー。」





「つまり飛鳥のことを好きになるのは隕石が落ちてくるくらいの確率ってわけか」





「そこまでは言ってないけどねー。」




隕石が降ってくるなんて物理的なことではあるけど、恋愛なんて気持ちの問題だから。



「ただ、もしも私が誰かを好きになって、それが飛鳥とか輝夜とかそのへんのおじさんだったとしても、





…絶対に邪魔はさせない。」







咲人はわたしの言葉に少しびくつくと、一歩後ろへさがる。