私のあとを追いかけてくる咲人。
みんなもう上へ行ったようで、私と咲人だけになる。
私はスポンジに洗剤を垂らすと、もふもふ、と泡立てる。
咲人はなにも言わず、なにもせず、ただただ私の横に突っ立っている。
「…で、なに?」
私は皿を1枚手にして、洗い始める。
「なに…って。俺は手伝ってやろうかと」
「うそつき。」
「なんでそんなことわかるんだよ」
「手伝う気あるなら食器拭きくらいはしてくれるもん」
残念ながら、私には顔を見れば、とか。雰囲気とかで全てを察することはできない。
さっきのはあまりにも目が鋭かったから気づいたけど。
「言ってくれなきゃ、私はなにもわからないから。」
だから、言いたいことは言ってよ。
ちなみに、絶対に姫になるなよ、とかの忠告は受けません。
もとからそんな気がないからね。


