「…もう緑だな…。」







階段の手前で立ち止まった私。







廊下の窓から桜の木を見るのが私のちょっとした楽しみなんだ。







夏だからか、最近は校庭にいる人も少ない。





いても外の部活の人ばかりだ。







まぁ、明日からテストだから今日は本当に誰も居ないけどね。







「…もう行かないとな。」




そうしないと凛ちゃんにも怒られるし。








階段を降りようと窓から目を外そうとした時、





「…あれって…」




校庭を一人で歩いている人を見つけた。