「ま、まだまだ若い、これからいろんな経験をすると解るよ、さて、在庫の整理しなきゃな」

椅子から立つ。

「手伝うよ」

別室からダンボールの箱を運ぶ。

それが日常だった。

親のいない俺は理想の父親像をオヤージーにかぶせていたのかもしれない。

ただ、オヤージーには深みのある、どこか人を寄せ付けるような雰囲気があった。