「オヤージーなんかいいライターはいった?」

店に入るなり、要求する。

「おお、孤の字、おめぇ運がいいぞ」

あいかわらず常にオレンジ色の電波を撒き散らしているオヤージーこと塚本 野次、三十
六歳。

オヤージーは在庫の整理をしていたのだろう、段ボール箱を抱えていた。

学校の帰り際には必ずここに寄っている。