「さて、咲貴ちゃんにはこれから誰と過ごしてもらうか決めてもらわないとね」

「それって誰かと絶対過ごさなきゃいけないんですか?」

「絶対じゃないけど過ごすコトがほとんどネ~」

「それなら、もう相手は決まってる。咲貴。俺と過ごしてもらう」

「は!?なにそれ、あやくん、ずるいっ。俺だって姫と過ごしたい」

「そうヨ!アヤト、抜け駆けは卑怯ヨ」

「うるさい。咲貴。俺を選ぶか選ばないかだ。この後、仕事があるから早くしろ。まぁ、選ばなかったら引きずってでも連れて行くけどな」

なんて強引な人だ。どっちにしろ、綾斗さんと過ごす羽目になるんじゃ…。

「時間がない。後5秒で選べ」

そう言って抱き寄せられた。端正な顔立ちがすぐ横にあってドキドキする。

「5、4、3…」

「…綾斗さんと過ごします」

「それでいい」

満足げな顔をする綾斗さんに対して、春哉さんとセレスさんは不満げ。ギャーギャー騒いでるけど綾斗さんが決めたから諦めて悪あがきしているだけのようだ。