正直、全然納得できていない。そんな理由で妻にされるなんてたまったもんじゃない。

「さーて、ざっと説明したことだし自己紹介としようか。一番目は言い出しっぺの僕からね。僕は須藤翼。医師だよ」

「じゃ、二番目は俺ー!音成春哉。職業はJ´sのボーカル!」

「嘘!J´sのボーカルってあの最近有名なロックミュージシャンの?」

「お、知ってる?やったね!」

よくよく見れば人懐こそうな顔はあの春哉だ。

「俺は東絛紫月。映画監督だ」

「橘柊一朗。須藤が言ってたように弁護士だ」

「アタシはセレス!セレス・ヴァレンタインよぉ。職業はデザイナー兼モデル!ヨロシクね」

セレスという人は見た目が完全に女性。ということは女装した男性ということになる。キャラが濃い。

「月城綾斗。月城グループ次期社長だ」

月城綾斗。聞いたことがある。総資産200億以上、皇帝と呼ばれ、大企業の副社長。

「これで全員終わったね。それじゃ、咲貴ちゃん。これからよろしく」

こうして、旦那様が六人もいる奇妙な同居生活が始まった。