幸い、服は近くにあった。

「いったいどうなってるの…」

普通な家庭に産まれて普通に学校を卒業して普通に働いていただけなのに何でこうなった！？いろんなことが頭を過るけどどれも決定打にはならない。歩いていると視界が開けた。

「うわぁ、広い」

想像を遥かに越える広さのリビングに絶句する。

「おい、こっちだ」

呼ばれて振り返るとそこにはソファの回りに佇む六人の男性。共通しているのは全員イケメン！

「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」

ぱっと見、優しそうな人が手招きしている。それに乗って近寄る。

「さて、咲貴ちゃん。どこから、話して欲しい？」

「わたしの名前を何で知ってるのか、そこからお願いします」

正直、動揺が隠せない。名前って一応、個人情報だよ！？

「ハハ、分かったよ。君が僕たちの妻になるに当たって調べたからだよ。そこの綾斗君がね」

ベッドの隣にいた人、綾斗と呼ばれた人は無表情を崩さない。

「綾斗君から大雑把に聞いてると思うけど君は今日から僕たちの妻だ」