朝日が窓から溢れている。その日差しでわたしは目を覚ました。

「…うん」

上体を起こし、伸びをした後大きなあくびを一回。今日もよく寝た。

「さて、仕事に…」

ふと、視線を隣にやるとこんもりと盛り上がっている。なんだろう、ぬいぐるみかなにか?でもぬいぐるみと寝る習慣なんてない。黙って見つめていると塊が動いた。ビクッとしてベッドギリギリまで後ずさる。

「きゃ…!」

布団から出てきた他のは若い男性だった。

「だ、誰?」

昨日のことを思いだそうとしても思い出せない。記憶があやふや。

「(こんな人知らない。まさかわたし…!)」

知らない内に男性を連れ込んでしまった!?記憶がないので保証がない。どちらにしろ、状況は分からないことだらけだ。

「自分の夫に対して誰とはどういうことだ」

「は?」

今、この人はなんて言った?自分の夫と言わなかっただろうか?ちょっと待って。わたしはまだ法律上、独身のはず。(悲しいことだけど)

「夫ってなんですか?そもそも、わたしはあなたを知りません。家から、出てってください。住居不法侵入で警察呼びますよ」

「お前こそ、なんだ?俺を知らない?いったい、なにを…。まぁ、いい。それは後で説明してやるが住居不法侵入はいただけないな。そもそも、ここはお前の家じゃない」

わたしの家じゃないと言われて辺りを見ると確かに見慣れた家の家具が一つも見当たらなかった。