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あれはだいたい1ヶ月位前の事です。お姉ちゃんが、誰かにストーカーされてるって私に相談してきたんです。お姉ちゃんはすっごく美人で昔からストーカー被害にはよくあっていたので、今回もそういった類いだろうと警察に事情を説明して、見回りをしてくれるという形で収まったんです。
でも中々ストーカーの気配は消えなくて、寧ろ日に日に増していきました。
二週間前です。お姉ちゃんが部屋で寝ていたら、いきなり悲鳴をあげたんです。私も両親も急いで駆けつけたら、むせる程甘い匂いがして、部屋のなかは滅茶苦茶になっていて踏み場もない状態でした。
急いでお姉ちゃんを見たら、側の窓は開け放たれていて、お姉ちゃんが寝ていたベッドには辺り一面に金木犀の花が散っていました。金木犀が甘い匂いの正体でした。
ストーカーが部屋に入ったのかと思ったんですけど、窓は内側からしか開けられない仕組みになっていて、絶対に入れないんです。お姉ちゃんが心配になって側に寄ったら、がくがく震えながら「ばけものが来た」としか言わなくて、会話は出来ませんでした。
それで、あの、これは昨日の事です。
もうそのぐらいになるとお姉ちゃんは私達と全く会話出来なくて、何をいっても「ばけものが来る」「逃げなくちゃ」とぶつぶつ呟くだけでした。その日の夜、お姉ちゃんは夜中にも関わらず部屋を飛び出したんです。もうお姉ちゃんは正気な状態ではなかったので、私は急いで追いかけました。
しばらく走ると近くでお姉ちゃんの悲鳴が聞こえました。駆けつけると、前回と同じく金木犀の花が散っていて甘ったるい匂いがしました。お姉ちゃんの方は気絶をしたのか意識はありませんでした。その、そしたら……後ろから影がさしたんです。待宵月でとっても明るくて、影もくっきりしていました。ストーカーかと思って振り返ろうとしたんですけど、よく見るとおかしいんです。形が、人の影じゃないんです。頭から何か2つ刺さっていて、ゆらゆら不気味に揺れていました。怖くて動けなくなって、そのままじっとしていたら突然影がふっと消えたんです。急いで振り返ったんですけど、後ろには何もいませんでした。
あれはだいたい1ヶ月位前の事です。お姉ちゃんが、誰かにストーカーされてるって私に相談してきたんです。お姉ちゃんはすっごく美人で昔からストーカー被害にはよくあっていたので、今回もそういった類いだろうと警察に事情を説明して、見回りをしてくれるという形で収まったんです。
でも中々ストーカーの気配は消えなくて、寧ろ日に日に増していきました。
二週間前です。お姉ちゃんが部屋で寝ていたら、いきなり悲鳴をあげたんです。私も両親も急いで駆けつけたら、むせる程甘い匂いがして、部屋のなかは滅茶苦茶になっていて踏み場もない状態でした。
急いでお姉ちゃんを見たら、側の窓は開け放たれていて、お姉ちゃんが寝ていたベッドには辺り一面に金木犀の花が散っていました。金木犀が甘い匂いの正体でした。
ストーカーが部屋に入ったのかと思ったんですけど、窓は内側からしか開けられない仕組みになっていて、絶対に入れないんです。お姉ちゃんが心配になって側に寄ったら、がくがく震えながら「ばけものが来た」としか言わなくて、会話は出来ませんでした。
それで、あの、これは昨日の事です。
もうそのぐらいになるとお姉ちゃんは私達と全く会話出来なくて、何をいっても「ばけものが来る」「逃げなくちゃ」とぶつぶつ呟くだけでした。その日の夜、お姉ちゃんは夜中にも関わらず部屋を飛び出したんです。もうお姉ちゃんは正気な状態ではなかったので、私は急いで追いかけました。
しばらく走ると近くでお姉ちゃんの悲鳴が聞こえました。駆けつけると、前回と同じく金木犀の花が散っていて甘ったるい匂いがしました。お姉ちゃんの方は気絶をしたのか意識はありませんでした。その、そしたら……後ろから影がさしたんです。待宵月でとっても明るくて、影もくっきりしていました。ストーカーかと思って振り返ろうとしたんですけど、よく見るとおかしいんです。形が、人の影じゃないんです。頭から何か2つ刺さっていて、ゆらゆら不気味に揺れていました。怖くて動けなくなって、そのままじっとしていたら突然影がふっと消えたんです。急いで振り返ったんですけど、後ろには何もいませんでした。

