“嫌っていない”と言うのは実に微妙な言い方だった。僕の事を好きなようにもとれるし、そうでないようにもとれるし、曖昧な言い方だった。僕はその言葉の意味を考え一喜一憂していた。でも、あの声が聞こえてこなければ、本当の答えなどわかるはずもなかった。
 答えは出ないとわかっていた。それでも、考えて、考えて、考え抜いた。
そして、僕は決心した。