「ご用件が、ご用件ですので、御社にお伺いしてご回答できればと思うのですが。」
 その言葉を聞くと社長は急に機嫌が良くなり、声色も高くなっていた。
 「そうか。そうか。じゃ、今日の6時頃に待っている。あとでな。」
 こちらの都合も聞かず、一方的に話して電話を切ってしまった。掌は汗でふやけていた。その掌を見つめていると吉原先輩が帰ってきた。