彼にオーケーはしたものの、
何も変わることなく約一ヶ月が過ぎた、ある日の放課後、
校門に平野くんがいた。

「…どうしたの。」
今までの私なら、
一ヶ月も音沙汰がない人なんて、
即、切ってたな。
「っ!先輩!この前のお話、本当にいいんですよね?」

ただ、彼の表情を見ていると、
そんなのどうでもよくなっちゃう。

「うん、わざわざ嘘つかないよ。
…ただ、あなたも知ってるように、私からは動かない。…動けない。」
「じゃ、じゃあ、今度デート…してください!」

本当に、この子は変化球というものを知らないんだね。

「ふふ。いいよ。いつ?」
「こ、今度の日曜日…とか…」
「明後日ね。分かった。…怪我、治してきなよ。じゃあね。」
「はい!」


明後日か。
ま、いいや。