今、理央さんは生きている。
父さんも手術を手伝った。
さくらさんと、父さんの腕は、やっぱりすごいらしい。
後遺症もなく、生きている。
ここにいる。

「明日から、学校行こうと思ってるよ。」
「え?…そんな無茶な。」

僕なんかよりも、活力に溢れてる。

「いやいや、本気だよ。最後に出たモデルの引退ページが好評でね。学校でも、コハルちゃんが募金とか企画してくれたみたいで。3人や、クラスのみんなも毎日のように来てくれて…みんな、私なんかのことを待ってくれてる。だから、私早く行かなきゃ。」

理央さんが言うなら、
そう出来てしまいそうに感じる僕。
…でも、心配だな。
理央さんは、学校中の天使だから。

「あ、今、私が浮気するんじゃないかって心配したでしょ?…ふふ。大丈夫よ。ママとお父さんの娘だから。ママとお父さんに似て一途だから。」
「理央さんが大丈夫と言うなら、大丈夫でしょうね。」
「そう、私が大丈夫と言ったら大丈夫なの!」
「…母の、写真を見たら本当に理央さんに似ていました。」
「本当に?今度見せて。…私が今生きているのは、美羽さんのお陰だから。」
「はい。今度お見せします。」
「あっ、そうだ。晃、敬語やめてよ。」
「…っ?こ、こ、こう?」
「ふふ。焦りすぎ。…ほら。理央、って呼んで。」

「…理央。大好きだよ。」
「私も大好き。」
「僕の方が好きだね。」
「いや、私も負けない。」

僕が、守るよ。これからも。


fin.