◼︎ ◼︎ ◼︎
私と真央と美羽は、高校時代とっても仲が良かった。
真央と美羽は2人とも女優で。
芸能界でも似てるって話題になって、すごく人気だった。
中身は全然違ったんだけどね。
美羽は、
誰に対してもフレンドリーで何でもできて人気者で。それこそ、非の打ち所がなかった。
真央は、
とにかく不器用で人に頼るのとか苦手でいつも1人で頑張ってて、でも本当はすごく優しかった。
そんな感じだったけど2人はすごく仲良しで。
私は、そんな2人を見ているのが大好きだった。
でもね。神様はとても残酷。
2人は、
…同じ人を愛してしまった。
それが、理央ちゃんのお父さんである、隆也くん。
つまり、
真央がその人と結ばれたわけで。
だけど、真央と隆也くんはそのときまだ18歳だった。
親の了承がないと結婚できない。
彼らは何かに焦って、駆け落ちしてしまった。
私もショックだったけど、
もっとショックを受けていたのは、美羽だ。
…愛する人と、大切な親友を一気に失ったんだから。
それに、誰も知らなかったけど、既に美羽の体の中では確実に病魔が迫っていた。
それをずっと影で支え続けていたのが平野さん。
私たちの高校の一年先輩で、そのときは医学部の一年生だった。
…私の片思いの相手。
美羽と平野さんが結婚するのに時間はかからなかった。
美羽は、高校を出てすぐに結婚した。
それから1年後、
真央は赤ん坊を連れて、ひょっこりと姿を現した。
その赤ん坊が、理央ちゃん。
深い絶望と少しの希望が入り混じった表情だった。
…そこに隆也くんはいなかった。
実は、隆也くんも本気で俳優を目指していた。
今も、ドラマとか出てるあの人。
この先の話は、真央から断片的にしか聞いていないけど。
2人は駆け落ちしてからも、
お互い夢に向かって頑張っていた。
1年が経った頃、
隆也くんに映画の主演の話が舞い込んだ。
新人にとって、映画の主演は大チャンス。
でも、19歳やそこらで女優の卵と結婚しているというのは、イメージが悪かった。
隆也くんにその話をされた日、
本当は真央は、妊娠の報告をするつもりでいた。
…真央は、妊娠を告げることもできずに離婚した。
そして、1人で理央ちゃんを産んだ。
多分、いっぱいいっぱいだったんだよね。
大好きだった美羽に、あんなことを言うなんて。
「結局、あんたが全部私の上をいく。昔っからそう。幸せになるのはあんた。私はようやく好きな人と結ばれたと思ったら、こんな仕打ち。あんたは医者なんかと幸せな結婚してさ。…美羽なんて、大嫌い!」
美羽は、真央のこの言葉で生きる希望を見失った。
完全に弱ってしまった美羽は出産の刺激に耐えられず、晃くんをこの世に遺して亡くなった。
もちろん、真央だけのせいじゃない。
美羽は最初から、死んでもいいから子供を産みたいと願っていたし、
医者だって母体が助かる可能性はほぼゼロと美羽に説明していたから。
でも、元々心が優しい真央は、責任を感じた。
…そしてまた残酷なことが起こる。
美羽が亡くなった次の日、
理央ちゃんが美羽と同じ病気であることが分かる。
「美羽は、死んでも私を苦しめ続けるのね。」
私は何も言えなかった。
でもある日、真央が言った。
「理央を守ることが、私にできる唯一の償いなのかもね。」
「…私も。もっと医者として勉強を頑張って、今度こそ大切な人を助けたい。」
諦めが悪くて、ただ平野さんを追いかけて医学部に入った私が、
初めて人を助けたいと思った瞬間だった。
私は、いつかの真央の言葉を忘れないよ。
「私、理央のためならどんなことも頑張れる。」
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私と真央と美羽は、高校時代とっても仲が良かった。
真央と美羽は2人とも女優で。
芸能界でも似てるって話題になって、すごく人気だった。
中身は全然違ったんだけどね。
美羽は、
誰に対してもフレンドリーで何でもできて人気者で。それこそ、非の打ち所がなかった。
真央は、
とにかく不器用で人に頼るのとか苦手でいつも1人で頑張ってて、でも本当はすごく優しかった。
そんな感じだったけど2人はすごく仲良しで。
私は、そんな2人を見ているのが大好きだった。
でもね。神様はとても残酷。
2人は、
…同じ人を愛してしまった。
それが、理央ちゃんのお父さんである、隆也くん。
つまり、
真央がその人と結ばれたわけで。
だけど、真央と隆也くんはそのときまだ18歳だった。
親の了承がないと結婚できない。
彼らは何かに焦って、駆け落ちしてしまった。
私もショックだったけど、
もっとショックを受けていたのは、美羽だ。
…愛する人と、大切な親友を一気に失ったんだから。
それに、誰も知らなかったけど、既に美羽の体の中では確実に病魔が迫っていた。
それをずっと影で支え続けていたのが平野さん。
私たちの高校の一年先輩で、そのときは医学部の一年生だった。
…私の片思いの相手。
美羽と平野さんが結婚するのに時間はかからなかった。
美羽は、高校を出てすぐに結婚した。
それから1年後、
真央は赤ん坊を連れて、ひょっこりと姿を現した。
その赤ん坊が、理央ちゃん。
深い絶望と少しの希望が入り混じった表情だった。
…そこに隆也くんはいなかった。
実は、隆也くんも本気で俳優を目指していた。
今も、ドラマとか出てるあの人。
この先の話は、真央から断片的にしか聞いていないけど。
2人は駆け落ちしてからも、
お互い夢に向かって頑張っていた。
1年が経った頃、
隆也くんに映画の主演の話が舞い込んだ。
新人にとって、映画の主演は大チャンス。
でも、19歳やそこらで女優の卵と結婚しているというのは、イメージが悪かった。
隆也くんにその話をされた日、
本当は真央は、妊娠の報告をするつもりでいた。
…真央は、妊娠を告げることもできずに離婚した。
そして、1人で理央ちゃんを産んだ。
多分、いっぱいいっぱいだったんだよね。
大好きだった美羽に、あんなことを言うなんて。
「結局、あんたが全部私の上をいく。昔っからそう。幸せになるのはあんた。私はようやく好きな人と結ばれたと思ったら、こんな仕打ち。あんたは医者なんかと幸せな結婚してさ。…美羽なんて、大嫌い!」
美羽は、真央のこの言葉で生きる希望を見失った。
完全に弱ってしまった美羽は出産の刺激に耐えられず、晃くんをこの世に遺して亡くなった。
もちろん、真央だけのせいじゃない。
美羽は最初から、死んでもいいから子供を産みたいと願っていたし、
医者だって母体が助かる可能性はほぼゼロと美羽に説明していたから。
でも、元々心が優しい真央は、責任を感じた。
…そしてまた残酷なことが起こる。
美羽が亡くなった次の日、
理央ちゃんが美羽と同じ病気であることが分かる。
「美羽は、死んでも私を苦しめ続けるのね。」
私は何も言えなかった。
でもある日、真央が言った。
「理央を守ることが、私にできる唯一の償いなのかもね。」
「…私も。もっと医者として勉強を頑張って、今度こそ大切な人を助けたい。」
諦めが悪くて、ただ平野さんを追いかけて医学部に入った私が、
初めて人を助けたいと思った瞬間だった。
私は、いつかの真央の言葉を忘れないよ。
「私、理央のためならどんなことも頑張れる。」
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