また、私は眠った。
明らかに体力が落ちている。
…もう長くないのかな。
不思議だよね、自分の体って。
医者もわからない自分の寿命が自分だけは何となく分かってしまう。
迷惑ばっかりかけてきた雪の女王が、跡形もなく溶ける。
カイは、無事にゲルダの元へ帰る。
…そんな話じゃないけどね。
それでいいじゃん。
悲劇のヒロインでいさせてよ。
カイを助けたのは、雪の女王だと。
好きな人ができて、楽しい時間を過ごせた。
これで満足するから。満足だから。
あ…そんなことになったら、
ますますママに嫌われちゃうね。
あんなに嫌ってた悲劇のヒロイン。
ごめんね、ゲルダ。
もう少しで邪魔者はいなくなるから。
最後にもう一度、彼に会いたい。
「理央さん!」
来てくれた。
「平野くん。」
「ごめんなさい、理央さん。これからは、僕が絶対に守りますから。」
「ありがとう。…君に会えて、本当に良かった。初めて恋をして、初めて思いっきり遊んだ。今までありがとう。」
「…そんな。最後みたいなこと言わないでくださいよ。」
「だって最後だと思うから。」
「嘘です!そんなこと、僕がさせません。」
「分かる…自分の寿命くらい。ひどいザマを、君だけには見られたくない。だから、もう最後に…」
「じゃあ、僕が代わりに死にます。」
「え?…ふふ。もう少し変化球覚えたらいいのに。そんなの全然嬉しくないよ。」
彼のまっすぐさと優しさが暖かくて…すがりたくなる。
「ごめんなさい…。」
「…でも、ありがとう。」
「どこが、どこが苦しいですか?」
どこが苦しいか、って…?
「心…かな。」
すると、平野くんは私に抱きついてきた。
「どうしたら、どうしたら…!」
直球すぎる彼の思いが今度は…痛い。
「…また逞しくなったね。」
「それでも僕は、理央さんを守れない。」
ねぇ。
私も、素直になっていいのかなぁ…
「…私だって。」
ごめんね。
先生、小春ちゃん、ママ。
マキ、ナオコ、ユリノ。
…平野くん。
本当に私って、人に迷惑ばっかり。
「私だって生きていたいよ。いなくなるなんて嫌だよ!」
…君といたいよ。
私は人生で初めて泣いた。
嘘泣きじゃなくて。
心が流そうとする涙ってこんなに痛いんだ。
「よく言ってくれたわね。」
「先生?」
「その気持ちに偽りはないな?」
「…平野くんの、お父さん?」
どうして…
「…すべてさくらさんから聞きました。あなたが、真央さんと隆也の娘…。」
へぇ。
私のお父さんって、隆也っていうんだ。
すべてって言われても、私は何も知らない。
「平野さん。私が、理央ちゃんに話します。」
「分かりました。晃、一度外へ出よう。」
「うん…」
先生が、私のベッドの脇に座る。
「…と言ってもどこから話せばいいのかな。」
「…」
「本当は、あなたのお母さんから聞いたほうがいいかもしれないわね。あと、病気のあなたを医者である私が叩くなんて…さっきは、ごめんなさい。」
「いえ…」
「かしこまらないでいいわ。信じてもらえるかわからないけれど。
私がよく話してた、あなたと同じ病気で亡くなった友達というのが、平野くんのお母さん、美羽なのよ。」
「美羽って…」
ママが恨んだひと。
明らかに体力が落ちている。
…もう長くないのかな。
不思議だよね、自分の体って。
医者もわからない自分の寿命が自分だけは何となく分かってしまう。
迷惑ばっかりかけてきた雪の女王が、跡形もなく溶ける。
カイは、無事にゲルダの元へ帰る。
…そんな話じゃないけどね。
それでいいじゃん。
悲劇のヒロインでいさせてよ。
カイを助けたのは、雪の女王だと。
好きな人ができて、楽しい時間を過ごせた。
これで満足するから。満足だから。
あ…そんなことになったら、
ますますママに嫌われちゃうね。
あんなに嫌ってた悲劇のヒロイン。
ごめんね、ゲルダ。
もう少しで邪魔者はいなくなるから。
最後にもう一度、彼に会いたい。
「理央さん!」
来てくれた。
「平野くん。」
「ごめんなさい、理央さん。これからは、僕が絶対に守りますから。」
「ありがとう。…君に会えて、本当に良かった。初めて恋をして、初めて思いっきり遊んだ。今までありがとう。」
「…そんな。最後みたいなこと言わないでくださいよ。」
「だって最後だと思うから。」
「嘘です!そんなこと、僕がさせません。」
「分かる…自分の寿命くらい。ひどいザマを、君だけには見られたくない。だから、もう最後に…」
「じゃあ、僕が代わりに死にます。」
「え?…ふふ。もう少し変化球覚えたらいいのに。そんなの全然嬉しくないよ。」
彼のまっすぐさと優しさが暖かくて…すがりたくなる。
「ごめんなさい…。」
「…でも、ありがとう。」
「どこが、どこが苦しいですか?」
どこが苦しいか、って…?
「心…かな。」
すると、平野くんは私に抱きついてきた。
「どうしたら、どうしたら…!」
直球すぎる彼の思いが今度は…痛い。
「…また逞しくなったね。」
「それでも僕は、理央さんを守れない。」
ねぇ。
私も、素直になっていいのかなぁ…
「…私だって。」
ごめんね。
先生、小春ちゃん、ママ。
マキ、ナオコ、ユリノ。
…平野くん。
本当に私って、人に迷惑ばっかり。
「私だって生きていたいよ。いなくなるなんて嫌だよ!」
…君といたいよ。
私は人生で初めて泣いた。
嘘泣きじゃなくて。
心が流そうとする涙ってこんなに痛いんだ。
「よく言ってくれたわね。」
「先生?」
「その気持ちに偽りはないな?」
「…平野くんの、お父さん?」
どうして…
「…すべてさくらさんから聞きました。あなたが、真央さんと隆也の娘…。」
へぇ。
私のお父さんって、隆也っていうんだ。
すべてって言われても、私は何も知らない。
「平野さん。私が、理央ちゃんに話します。」
「分かりました。晃、一度外へ出よう。」
「うん…」
先生が、私のベッドの脇に座る。
「…と言ってもどこから話せばいいのかな。」
「…」
「本当は、あなたのお母さんから聞いたほうがいいかもしれないわね。あと、病気のあなたを医者である私が叩くなんて…さっきは、ごめんなさい。」
「いえ…」
「かしこまらないでいいわ。信じてもらえるかわからないけれど。
私がよく話してた、あなたと同じ病気で亡くなった友達というのが、平野くんのお母さん、美羽なのよ。」
「美羽って…」
ママが恨んだひと。

