「あんたを見てると思い出す!」

またこの夢…。

「あの女…!美羽!…美羽…ごめんね。大好きだった…!」
「ママ?泣いてる…の?」

小さい頃に言われた言葉。
こんな続きがあったんだ。


…。
…ママ。



目が覚める。
…え、ママ?
何でここにいるの?…久しぶり、だね。

「だめじゃないの!」

現実に目の前にいるママも、今泣いている…涙は流れてないのに泣いてる…。
さっきのは、夢…?

それとも、私が今夢の中?
あぁ、そうか。
だから、景色が家と違うのか。

「何でいきなり倒れるの?ママを心配させないで!さくらから連絡きてびっくりしたんだから!」
倒れる?
…昨日は私、平野くんと学校サボって、公園で遊んで、すっごく楽しくて…倒れたんだ。

…また。平野くんに迷惑かけた。
同じことをする自分に腹がたつ。

「…もう大丈夫なら、私帰るわよ?忙しいんだから。」

ママ…
行ってしまった。

「…真央!」

あ、先生の声。

「お母さん、帰っちゃったね。」
「…私のこと、可愛くないんだよ。」
「理央ちゃん!」
「…ママ、泣いてた。私に絶望して。イタっ。…先生?」
先生に叩かれた。
「言っていいことと、悪いことがある!…真央は、本当にあなたを愛してる。自分の夢も、愛する人も、全て諦めた。」
「…それって。やっぱり私、いない方がいいってことじゃん。」
「…違う。それだけ真央は…。真央は、不器用なだけなの。」
「私分かんないよ。全然分かんない。」
「…いつか。分かるから。もう、公園へ行ったり激しく動いたり殴られたり、しないで?私と…真央…あなたのお母さんからのお願い。今はそれしか言えないけど。約束して。」
「うん…」

あの女…って。誰なんだろう。
ママが恨んで恨んで、今日は必死に謝ってた。

あぁ。
先生に叩かれた頬が、まだジンとする。