天使の恋と涙

「ね、これから、サボろっか。」
「…えっ。」
「大丈夫。この学校の先生は大体買収済みだから。」
「えっと…」
「違うよ、変な意味じゃないよ。一度話したら皆、私を気に入ってくれるだけ。」
私はママとは違うんだから。
「…僕が1番、理央さんのことを好きです。」
平野くんは、いつも私のささくれ立った心を溶かしてくれるね。
「ふふ。分かってるわよ。…さ。立って。」

スッと、彼が立つ。
…あれ。こんなに大きかったっけ?
私とあまり背が変わらない。

「…大きくなった?」
「この一ヶ月で3センチ、伸びました。」
「ふふ。成長期なのね。」
「はい!」

でも、3センチよりももっと大きくなったように見える。
それに心なしか、逞しくも…

「…さ。行きましょう。」
「…そうね。」

時間的に、朝礼をやっているであろう今がチャンス。
静かに階段を降りて、裏口へ向かう。

「セーフ!うまく抜け出せたね。」