雨の中5時間も待ち続けた人が現れて、僕の真上から降る雨を止めてくれた。
まるで、僕を救い出してくれる女神のよう。

…と思った瞬間。

先輩は、僕の目の前で倒れてしまった。

どうしよう。
僕のために来てくれたのに。
とりあえず、僕の家の病院に連れて行こう。
日曜日だから、通常の診療はしてないはず。

僕は怪我してるけど、
先輩を助けるのが今は最優先。
おぶっていけば、どうにかたどり着けそう。

走る、走る、走る。

何度も殴られた脇腹が悲鳴を上げているけど、そんなの知らない。


「父さん!この人を、助けて!」