しばらくカラオケやら恋バナやらをして、今はみんなまったりしてる。

うぅ。
ちょっと目眩がしてきた。
薬、もうないんだった。
今日は、帰ろう。
病院に寄って 薬、貰って来なきゃ。

「…ごめん。もう、帰るね。お金、置いていくから。足りなかったら、明日言って。じゃあね。」

返事も聞かないままお店を飛び出す。
…ふぅ。セーフ。
あの子達にバレたらまずい。

雨、降ってる…

そうだ。病院に電話しなきゃ。
私は特例的な患者だから、行けば通してはもらえるけど、電話しておけば薬だけ受け取ってすぐ帰れる。

あ、そういえばずっと携帯見てなかったな…

新着メッセージ2件。


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返事待ってるよ〜。
来週はどう?
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和明と、


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大丈夫です。待っています。
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平野くん!
…待ってる?この雨の中?

私は、ひたすら走る。
もうさすがに、帰ったよね?

…私は本当にずるい人間みたいだ。

それでも。走る、走る、走る。…


…やっぱり。いた。
傘もささずに。

「はぁ、はぁ、はぁ…ひら、の…く…」

傘を差し出す。

き、気持ち悪い…

なんか、めのまえがまっくら。


そうだ。

きゅうに はしったらいけないって いわれてたのに…


「…先輩!?」


あぁ。
とおくで ちからづよいこえがきこえる。

あ、れ…
からだが…ふわっとあがった?


とうとう私、天に召されたのかな。



「先輩!先輩!!」