「舞!」
懐かしいような声で目が覚めた。
目の前にいたのは岳ではなくて真人だ。
「お母さんに入れてもらった。」
『…そうなんだ。』
真人の目が赤い。
私の目からも涙が流れる。
時計の音だけがやけに大きく耳にさわった。
静かな部屋で真人は、私の涙を拭いてくれた。
「すげぇ隈。」
拭いても拭いても止まらない涙が、真人の親指を濡らしていく。
『眠れないの。』
「…寂しいの?」
『怖い。』
「…。」
『岳が夢で死のうとする。』
「あいつはどうしようもないね?」
そう言って真人は
私の肩の方に手を伸ばしてまた引っ込めた。
そして一息ついて箱を差し出す。
「手作り!舞にだけだからな!」
小さな箱を私の膝に置いた。
「また明日来るよ。あー君と。」


