真人の私を擦る手が止まり、そっと頬に触れた。
「何でこんなに冷えてんの?」
『…知らない』
真人の手は暖かい。
『真人からの電話に出たとき、岳が彼女と別れたことを期待した。
私、恥ずかしすぎて…』
「舞?」
『真人…私のこと殺してくれない?』
スッと真人を見ると
すごく悲しい顔をしていた。
そんな真人をハザードランプがチカチカと照らす。
ペチン!
『!?』
真人のその暖かい手が
私の頬を軽く叩いた。
「バカッ!早く乗れ。」
ごめんね。真人。
まだ分かんない。
大人しく車に乗り込む。
あのまま走って逃走でもしてれば
少しはドラマみたいになったかな?
なんて考えるくらい、私は冷静だった。
ただ、鼓動だけは異常に速くて
気持ち悪くなりそうで
もしかしたら
私は冷静なんだと
受け入れていないんだと
受け入れたくないんだと
言い聞かせていただけかも知れない。


