一生分の愛を君へ

「お前いつから女捨ててんの?」
バイトのバックルームでタバコを吸いながら岳は言った。
こいつは私を、【男っぽい女の子】として扱う。

確かに、決して女らしいとは言えないが
スカートもワンピースも着るし。
それなりに恋もしてきた。
『捨ててないんだけど。』
「そうなんだ!そういや高校の時すげぇ好きな人いたって言ってたっけ!」

『そりゃいたよー女子だからね。』

岳は一瞬眉をひそめて、口の端を片方あげた。

それは少し、嫌な感じの笑みだったが悪意はなかった。
「今は?」
『は!?』

よくそんなことが聞けたものだ。

岳本人だって知ってること。
バイトのみんなだって公認で、私は岳に恋をしているんだ。
春、大嫌いだった岳を
夏になった今では大好きになっている。

『お前性格悪。』

「やっぱりそう思う?」

岳は勝ち誇ったように見下したようにニヤつくが
私はその顔が好きだった。

こんなにも潔い片想いは初めてだ。