一回山を滑ると、約束通りコテージに入った。
そこであー君が豚汁を2つ頼む。
『ありがとう』
「まだ奢るって言ってないよ?」
『でも奢るでしょ?』
2人でただ豚汁を飲む。
それだけなのにあー君は絶対に味方でいてくれる気がした。
『あいつ。別れると思う?』
「…何で?」
『本気で付き合ってると思う?』
「若者の本気は分からないな。今好きだったらそれで本気なのか。今楽しければ本気なのか。
将来まで考えて初めて本気なのか。」
箸で空中をかき混ぜるようにくるくるさせながら
あー君は言った。
私は変わらず箸に取ったジャガイモに息を吹き掛け頬張った。
『自分だって若いくせに。』
「俺は自分の中で結婚まで考えて付き合う歳になったよ。
もう社員ですよ?」
『…確かにね。』
再び2つの箸が豚汁を食べ始めた。
「別れそうなの?」
『…。』
人に、惨めな自分を晒すのは好きじゃない。
でも今回は何故だか話したかった。
多分
「別れる」
と言ってほしかった。


