一生分の愛を君へ

シーズン1回目の1本目は、何度経験してもドキドキする。
久しぶりの喜びと、こんなに急だっけ?と言う気持ち。
「行くぞ。」
と岳が滑り出したのを確認して、後を追う。
滑り出せばもう、顔に当たる冷たい風が爽快で
板が乗る雪が気持ちよかった。

2人すいすいと滑っていると空から声がした。

「裏切り者ー!!」

声の主は真人。
ジタバタ振り回す手足をあー君に押さえつけられながら
ギャーギャーと声を荒げている。

『自分でひっくり返したくせに。』

「ほっとこうぜ。アイツじゃ俺たちと同じ速さで下りてこれねぇよ。」

岳はいたずらを思い付いた子供のように笑い、ゴーグルを上げて意地悪な顔をした。

「へっぽこ!!」
一言叫ぶとスピードをあげた。

まだ真人が何かを叫んでるのは分かったけど、私は岳を追いかけるためにスピードをあげることにする。

幸い運動神経には恵まれたから。