一生分の愛を君へ

『むかつく。』

家に帰ってまず呟いたのがこれだ。

わかっている。
入ったばかりの私は、腹の立つあいつにだって教えられなくちゃいけないことくらい。

だけど、こういうのは理屈じゃないんだ。
と私は思う。プライドなんだ。

作戦を練る。窓際の茶色いベッドに転がり、黒いクッションを抱えながら。

岳はキッチンで私はホールなのだから、ホールを完璧にしてキッチンまで覚えたら。
もしかして私ってすごいんじゃないかな?

それを想像したらニヤつかずにはいられなかった。
それから私はすごいいきおいで仕事を覚えていく。

こうなったときの私の吸収力は半端じゃないのだ。