一生分の愛を君へ

木村君は、私の家によく泊まりに来た。

両親は離婚父親は弟とアパートで暮らし、母親は看護婦で夜仕事に出ていてあまり家にはいないから
誰が泊まりに来ても問題ない。

中学の友達や高校の友達もしょっちゅう泊まりやって来て、ここは村田荘と呼ばれている。

何も問題なんてないのだ。

彼はいつも私の布団で一緒に寝た。
それはもう当たり前のように。

そして私の胸を触る。
私は抵抗することはなかった。
香澄の異変に気付き悩み苦しむ木村君を
可哀想だと思うから?
私にすがる木村君を、可愛いと思うから?

それとも岳にまた
彼女ができたから?

どれこれも自分を守る言い訳に過ぎない。

私が距離を置いてるうちに岳は例の年下の子と寄りを戻した。

夏の前に雨が降るように。
川が海へ向かうように。
全てが自然でなめらかに起こった。