一生分の愛を君へ

笑い合う岳と私を
真人やバイトの仲間たちが優しく微笑み見ていてくれる。
分かってた。岳が焦ってることくらい。

もう十分。
『もう行けば?』

「え?」

『誕生日っしょ?彼女。』
いつものように笑っていたけど
椅子にどっしり腰かけてはいるけど
時計を見るなんて
分かりやすいことはしないけど
ずっとカバン降ろさないんだもん。

「…そうだけど?」

『私物もらえれば岳いなくていいし。お疲れ!』

いつものように冗談ぽく
笑いながら言った。言ってあげた。
彼女のためじゃない。岳のため。
「おい!俺の存在自体がかなり重要だろ!言われなくても行くわ!」

岳もホッとしたように立ち上がり「おめでとう。」

と言葉を残して立ち去った。
胸が少し痛んだ気がしたけど、たばこを吸って掻き消した。
真人が心配そうにこっちを見るから。
『同じ誕生日ってどういうことなの?』

煙を思いっきり吸い込みお腹を抱えて笑った。