一生分の愛を君へ

ベスパに乗って風を切る。
いつものように、焦っていない振りなど。
するのはやめようと思っていた。
俺はスピードを落とさずにカーブを曲がり、海岸沿いの道に出た。

舞は、きっと海にいるはずだ。

なにを話そう。
もう一度好きだと言おうか。
舞は俺に、何を言いにやって来たのか。


例えばそれがいい話でも
期待はずれでも
今日という日はきっと満たされるだろう。
そんな予感がしていた。

隣にはいつもの海が広がり音を立てる。

ざざん ざざん ざざん ざざん

どこまでもどこまでも海だ。
いつも。