一生分の愛を君へ

細い指は力一杯、俺の肩に掴まり震えている。

「海に行くんだ。」

『どうして?』

ここでいかなくちゃバカだ。

「…。」

『あの子に会うの?』

「うん。」

美帆は唇を噛む。少し怒っているように見えた。

『1回振られてるんでしょう?何でまた…』

呆れたように、ため息をつく美帆。肩を掴む手は緩まない。

『芸能人みたいに、いつ会えるか分かんないような…』
「違うんだよ。美帆。」

『え?』

「会えるんだよ。舞には。」

美帆の力が緩む。俺は一歩後ろへ下がる形で美帆の手から離れた。

「拓郎!」

人混みの中から、拓郎が顔を出す。

「俺ちょっとさ、ちょっと行くから!だから」

美帆を…

「行ってらっしゃい!」

俺の親友は、大親友は
笑顔で親指を立てた。