一生分の愛を君へ

学園祭2日目は、1日目以上の来客だった。

騒がしい学内に、みんなの笑い声が響く。
ブルーのレジャーシートに座り、傍観するような気持ちで人々を見ていると
少し高い声が俺を呼んだ。

「これなんですか?」

声の主は小学生だ。
男の子が3人と、少し離れて女の子も3人いた。
律儀につけられた胸の名札には
[3年4組 ぬまおしょうすけ]と書かれている。

「いらっしゃい。これ?」

「はい。」

「おばけケムリって、指につけてパタパタすると煙でんの。」

俺は人差し指と親指をつけたり離したりしてみせた。
「面白いんですか?」

「人によるよ」

ぬまおしょうすけは頭をひねって悩み出した。
うーんと声を出しておばけケムリを見つめる。

「もらったら嬉しいですか?」

「俺は要らないけど。何?プレゼントなの?」

ぬまおしょうすけが頷く。
「女の子?」「わっ!」
突然声をかけられぬまおしょうすけがはねあがった。

「あの中の女の子にあげんでしょ?」

拓郎は仁王立ちで立っていた。

ぬまおしょうすけはもう一度頷く。

「かっこいいじゃん。でもさ、おばけケムリはセンスないって。」
すっと拓郎が座ると、手に持っているビニール袋が地面についた。

ぬまおしょうすけも続いて屈む。

「まずさ、この指輪は?」

「ダメです。結婚みたいだし、学校につけれないし。」

「バカこんなんじゃ結婚できねぇよ。でも校則違反か。」
ぬまおしょうすけは顔を真っ赤にしたので、思わず俺は吹き出した。