一生分の愛を君へ

それを見ていたら飲む気になどなれなくて、帰ると声をかける。

「また明日。」
いつもの3人と、出来たばかりの友達に手を振った。

忘れなくてはいけないだろうか?
忘れないと、歩めないだろうか?

自信もない。
とうの本人に会うこともできない。
彼女の悲しみも分からない。

店の外に出て、自転車に寄りかかり空を見た。

星が綺麗だ。


「想生!くん…」

店から飛び出したのは、真人。

そいつは眉をハの字に下げ、手に力をいれて立っていた。

「舞は、好きな人を亡くしてる。」

「…。」

「告白することも、振られることも、受け入れられることもなく永遠に会えないんだ。」

言葉がでない。
俺の想像していた、悲しいシナリオだった。

「想生と舞がどうなるかはもう、分かんないけど。あいつは、岳を忘れないよう必死で、だから…」

「…帰るよ。」

なにも答えられることはない。
受け入れて、どうするのか考えなくては。

「ありがとう。」

真人はまた、少しだけ笑った。