一生分の愛を君へ

カランカランと扉が開く音がする。

ジョッキに入ったカルピスにレモンを絞りながら振り返ると、真人が嬉しそうに立っていた。

「まっちゃんだ!おい!」
拓郎に呼ばれ真人が駆け寄る。後ろからいつもの男も来たが、やはり舞はいないようだ。

「こんばんはー木場さーん俺にジンジャーエールくださーい。あとあー君が生!」

すごく嬉しそうに、真人は隣のテーブルについた。
高めの椅子にひょいと飛び乗る。

「俺さ、車帰ってきたんだ。」

拓郎はおめでとうと声をあげる。真人たちのテーブルにドリンクが届き、至福のジンジャーだぜ。と言ってグラスを高く上げた。

学生の俺たちは、そんなにお金を持っていない。
一杯目の生を飲み終わるとだいたいジョッキににソフトドリンクを淹れてもらう。
それがしょっちゅう海風に現れる秘訣なのだ。

みんながわいわい盛り上がるなか、そっと真人が俺を呼んだ。

「想生くん、元気?」

「ん、あー元気元気。」

真人はにっこりと笑う。

「やっぱりあいつは来ねぇんだな。」

「…想生くん、舞とはどんな関係なの?」

どんな。ただ海で会っただけだ。
そのあとも偶然会ったり勝手に運命感じたり。
それだけだ。

「顔見知りだよ。ただの。」